【映画】『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』|ファーストガンダム離脱者の私が、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を初体験の4DXで観てきた話〜そして長すぎる個人的なガンダムの歴史〜

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機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) 公式サイト
スタジオカラー×サンライズ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(読み:ジークアクス)公式サイト。TV放送に先駆けて、2025年1月17日(金)より全国の劇場にて『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』大ヒ...

機動戦士ガンダムジークアクスが話題になっている。

というか、話題になってからしばらく経過している。

完全に出遅れて「さすがにそろそろ観に行こうかな」と思っていたところに、4DX上映の情報が。

「今年は色々チャレンジする!」が目標の私。4DXは未体験。

これはチャンスである。

ガンダムについても、私にとってはチャレンジだ。

ガンダム、特にファーストガンダムについてはずっと苦手意識を抱えていた。

最初にその話をしたいと思う。(思った以上に長文になったので、お忙しい方は読み飛ばしていただきたい)

私とガンダムの歴史

今までの半生、どちらかといえば私はオタク的なコミュニティに属していることが多かった。

そこで避けて通れないのがガンダム。どこにでもガンダム好きの人はいた。

大学時代にアニメ好きの先輩がいて、その人はファーストガンダム原理主義者だった。

先輩とはエヴァンゲリオンや攻殻機動隊の話題で盛り上がったが、彼は常にガンダムを軸として作品を語っていた。

ガンダムを見たことのない私は、本当の意味では認められていないと感じていた。(ちなみにその先輩は『パトレイバー』も激推ししていた)

5〜6年くらい前にはこんなこともあった。

焼き鳥屋でたまたま隣り合わせた50代くらいの男性と、なぜかアニメの話で意気投合して一緒に飲むことになった。

最初は当時放送していたアニメ『ダンベル何キロ持てる?』の話題などで盛り上がっていたが、次第にガンダムの話題へ。

気がついたら私はそのおじさんに「ガンダムとは」の説法を受けていた。

なかなか酔っ払っていたのでほとんど覚えていないが、おじさんはZガンダムについて熱く語っていたような記憶がある。

その日私は、飲みの席では政治と野球とガンダムの話は禁忌であることを学んだ。

そのような経験を経て「日本人の基礎教養として、ガンダムにはやはり一度目を通した方が良いかも」と思うようになった。

職場のひとまわり年上の先輩にそのことを話したら、ファーストガンダムのDVDを貸してくれた。

やっと訪れたガンダムチャンスだ。私はわくわくしてDVDデッキの再生ボタンを押した。

‥しかし、私には合わなかった。アニメ全体に流れる空気が全体的に重いのだ。

ガンダムがそのような物語だということは知っていた。

しかし、ガンダムが放送された当時とは時代が違う。

現実の日本が、すでにもう実際のガンダムの世界みたいになっていたのだ。

私自身も仕事と私生活でヘトヘトの毎日で、それを受け入れるだけの心の余裕もなかった。

「アニメを見ている時ぐらいは現実を忘れたい」というのが当時の私の本音である。

毎日のようにガンダムの感想を聞いてくる先輩に、素直に「いまいちしっくりこないです」と伝えた。

優しい先輩は「ジャブローまでいけば面白いから!黒い三連星のジェットストリームアタックがかっこいいから!!」と力強く私を励ましてくれた。

私はその言葉を信じた。

見続けるうちにジャブローは土地の名前で、黒い三連星は敵のモビルスーツの部隊であることを知った。

確かにガンダムと黒い三連星の戦いは見応えがあった。(ような気がする)

しかし、エヴァンゲリオンを先に経験した私は、ガンダムはどうしても古く感じてしまうのだ。

そのようにして、私はガンダムを見るのを諦めた。

時は経ち2022年。

テレビで新しいガンダムシリーズ「水星の魔女」が放送されることを知った。

相変わらずガンダムには苦手意識があったが、それ以上に「ガンダムを好きになりたい」という思いが強かった。

テレビシリーズ初となる女性主人公・スレッタが搭乗するエアリアルはデザインがかっこよくて、ガンビットを使った戦闘シーンは迫力があった。

物語も第2期に入る頃には深みが増して、最後まで飽きることなく観れたし、YOASOBIやアイナ・ジ・エンドの楽曲も好きだった。

「ガンダム面白いじゃん」と素直に私は思った。

そして、なによりそう思えた自分にほっとした。


書き出すと色々な思い出が蘇ってきて、回想が本文と同じぐらいの長さになってしまった。

そしていよいよ、次からが4DXで『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を鑑賞した感想である。

ガンダムファンの方からしたら非常に薄い内容で、知らないうちに地雷を踏んでいる可能性もある。

しかし、以上のような経緯をもつ個人の感想ということで、どうか大目に見てほしい。

4DXは思った以上の迫力

前置きが大変長くなったが、ここからが本文。

まずは4DXの感想から。

4DXとは、映画のシーンに合わせて座席が動いたり水や風、香りなどの特殊効果で五感を刺激する体感型シアターのこと、らしい。

私は当初「多少風が吹いたり座席が揺れる程度でしょ」と思っていた。

映画の冒頭、モビルスーツが宇宙空間を移動すると、上部から風が吹き、自分が座っている席も「ヴヴヴヴ‥」と振動する。

確かに、自分も宇宙遊泳している気分にならなくもない。

楽しい。だけど、少し寒い。

モビルスーツがどこかの星に到着し、物語が動き出す。

‥と、その瞬間。

頭の後ろから「シュッッ!!」と勢いよく霧のようなものが飛び出し、座席がガクン!と勢いよく傾く。

おっっ…!これは想定以J‥と考える暇もなく、今度は違う角度でガクン!と座席が傾く。

モビルスーツ同士の銃撃戦が開始したのだ。

油断していたら、ポップコーンを食べている人は舌をかみ、ジュースを飲んでいる人はぶちまけてもおかしくない程の勢いである。

さっきまでの宇宙遊泳は体を慣らす準備運動のようなもので、このような戦闘シーンでこそ4DXの本領発揮という訳か。

良いだろう、全力で体感してみようではないか。

私は座席に身を委ねた。

ガンダムは戦争をテーマにしていることもあってか、戦闘シーンが多い。その度、頭の後ろからは「シュッ!シュッ!」と冷たい空気が首筋をかすめ、前後左右に座席が揺れ動く。

戦闘が激しくなるにつれて画面からだけではなく、天井のライトもピカピカ光り、座席の背もたれがボコボコ動き、舞台上からスモークがもくもくと発生。

まさに五感を刺激する総合エンターテイメント!

あまりにも動きが激しいものだから、思わず途中で笑ってしまった。

定期的に座席に座り直さないと、そのまま転げ落ちてしまいそうになるのだ。

これは、なかなかすごいぞ。楽しいぞ。

敢えてひとこと申し上げるならば、座席が何に連動して動いているのかがわからない。

自分がモビルスーツの操縦席に乗っている視点なのか、それとも全体を俯瞰して見ている第三者の視点として動いているのか‥

その点がよくわからず、なんとなく全体の雰囲気で揺れている感じなのだ。

よって、作品に対する「没入感」という意味では、そこまで強い体験ではないように思う。

しかし、それでも想像していた以上にエンターテイメントだった。

もし小学生時代の私が体験したら歓喜していただろう。

ファーストガンダムを知らないとわからない?

次は作品の内容について。

ジークアクスの物語は大きく2部構成になっている。

前半が物語の導入部分、そして後半が本編。

前半は早速シャアが登場。

さすがの私も知っている、赤い彗星だ。

興味深いのは、キャラクターデザインや音楽・効果音に昭和感が漂っているところ。(もしかしたら音楽は当時と同じなのかもしれない)

きっとファーストガンダムの世界観を意識しているのだろう。

これはファーストガンダムの復習パートなのか?

私のそんな疑問をよそに、登場人物たちはどんどん話を進めていく。

どうやら地球連邦軍とジオン軍が戦っているようだ。それはわかる。

しかし、なぜ戦っているのか、戦況はどちらが有利なのか、さらに言えばどちらが連邦軍でどちらがジオン軍なのか、それがよくわからない。

追い討ちをかけるように知らない単語も頻出。

ミノフスキー粒子?こんぺいとう?ザギ家?そんなにいっぺんに色んなこと言われてもわからないよ!

寝不足気味だったこともあり、頭が完全にキャパオーバー。

だんだんと座席の振動が心地良い‥あ、やばい。少し眠くなってきたかも‥というタイミングで前半パートが終了。危なかった。

後半パートは一転してポップな雰囲気。

キャラクターと音楽も一気に令和になる。画面もカラフルでいい感じ。

ふたりの女の子が出会って、物語がどんどん展開していく。

そして、あれよあれよという間に主人公のマチュがガンダムに乗る。

その行動にはまるで躊躇がない。「どうやったらガンダムを動かすことができるのか」に全神経を集中している。

いいね!

とにかくガンダムが派手に暴れている姿を早く見たい私は、この展開に大満足。

前半パートでフラストレーションが溜まっていた私には、ここにきて主人公の葛藤なんて欲してないのだ。

加えて言うと「選ばれし人間がいきなり大活躍」という話も大好物である。

物語はその後も加速し、謎の少年シュウジ(冒頭に登場したジオン軍の男と同じ世界線とは思えない令和なデザイン)の登場、マチュとチームを組んでのバトルを経て映画は終了。

無骨なデザインのガンダムはかっこいいし、バトルも迫力満点。

そして主人公マチュの無責任で無鉄砲な性格も良い。

映画は「ここから面白くなるのに!」という場面で終わるのが残念だが、それは期待の裏返し。

元々テレビシリーズ用として制作されているので、これは仕方ない。

前半部分は置いてけぼり感があったが、本編は新しいアニメを最初から見ているのと同じなので、比較的すんなりと話に入り込めた。

相変わらずわからない単語も多いが、それでも楽しめる物語そのものの強度があるように感じた。


以上、ファーストガンダム離脱者が、映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を初体験の4DXで観てきた感想である。

スクリーンで観るガンダムは迫力満点で面白かったし、4DXも派手な仕掛けで思った以上に楽しめた。

この春から始まるテレビシリーズは間違いなく観るだろう。

一方、4DX作品については次回も観にいくか、と聞かれたら微妙である。

仕掛けは楽しいのだが、結局映画自体の面白さとはまた別物、とも感じたからだ。

今後は気が向いたら行くかもしれない。

最後になったが、映画の主題歌である米津玄師『Plazma』が最高にかっこいい!

劇中で流れた時は、前半パートで感じた眠気が完全に吹き飛んだ。

テレビシリーズではこの曲に乗ってガンダムがどのように動くのか、今から楽しみである。

ではでは!

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