病理医の知られざる仕事を描く医療漫画『フラジャイル』

漫画

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優秀だが変わり者でもある岸京一郎が、人知れず患者を助ける物語。

患者を持たず病気の原因過程を診断する病理医という職業を描いた医療漫画です。

登場人物

岸 京一郎

壮望会第一総合病院の唯一の病理医。優秀だが口が悪く、他の医師と常に衝突している。

宮﨑 智尋

素直で努力家の新人医師。岸の言動から病理医に魅力を感じ、神経内科から病理部に転科する。

森井 久志

病理部所属の臨床検査技師で、変わり者の岸を支える。

医師を目指していたが家庭の事情で大学を中退した過去をもつ。

細木 まどか

岸の医学生時代からの同級生で唯一の友人。岸に大きな信頼を寄せている。

火箱 直美

アミノ製薬の社員。自分なりの哲学があり手段を選ばない一面も。

見どころ

岸先生の魅力

怖そうな外見(実際に怖い)で口も悪い岸先生。

初見ではあまり好きになれないタイプの主人公ですが、患者や医療に対して真摯に向き合う姿は魅力的です。

仮に真実が患者の望むものでなかったり、病院の不利益になるものだとしても、決して嘘はつきません。

さらに、岸先生は実は人のことをしっかりと見ており、厳しいだけでなく患者に寄り添う優しい一面ももっています。

エピソードを重ねるごとに、どんどん好きになっていくタイプの主人公です。

医療ドラマとしても面白い

この作品はフィクションですが、病院内の人間関係や製薬会社との関係など、妙に描写が生々しくリアリティがあります。

特に、製薬会社の莫大なお金がからんだ新薬をめぐるエピソードは「まさか現実にはそんなことはないよね‥」と背筋がゾッとします。

病院が舞台なので医療に関する専門用語がたくさん出てきますが、そこを読み飛ばしたとしても医療ドラマとしても十分楽しめる作品です。

このひと言!

「心臓は動いてる 目も見えてる なのに死ぬことだけを考えてだの 一縷の望みだの 死なせられないだの ひどいったらないよねぇ」

引用:『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(原作:草木敏 漫画:恵三郎)

これは若い癌患者の今後の方針でまわりが大揉めしているときに、岸先生がその患者に言ったひと言。

それぞれの思いが強すぎて本人の気持ちが置いてけぼりになっている中、岸先生だけは患者の気持ちに寄り添った言葉を投げかけます。

今まですべてを諦めて受動的だった患者ですが、この一言のおかげで自分が後悔しないための選択を真剣に考えるようになります。

岸先生の本質がうかがえる、優しさにあふれるひと言です。

気になった方はまんが王国で!

病理医というマイナーな職業を扱った『フラジャイル』は医療の裏側や人間模様をリアルに描いた作品です。

岸先生の鋭い指摘にスカッとしたり、優しい側面に感動したり、他の登場人物の成長を応援したり、読むたびに色々な感情が湧き上がります。

医療関係の話が好きな方、勇気をもらいたい方におすすめの漫画です。

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